湿原でみられるスミレ草地、湿り気のある草地でみられるスミレ樹林下、林縁でみられるスミレ高山でみられるスミレ

 高山でみられるスミレ

 キバナノコマノツメ (黄花の駒の爪)   スミレ科/キバナノコマノツメ類

撮影地:至仏山・高天が原(2005.7.2) 尾瀬では至仏山でしか見られない黄色いスミレです。
生 育 地 北海道、本州(紀伊半島以北)、四国山地、九州(屋久島まで)。やや湿り気のある草地や沢沿いの林縁、岩の隙間など。
尾瀬では、至仏山にのみ生育していますが1500〜2000mの間で、それ以上、尾根筋は変形種のジョウエツキバナノコマノツメが多くなります。
開花時期 6月下旬〜7月中旬頃
草   丈 5〜15pくらい
特   徴  唯一「スミレ」の名がつかないスミレでしたが、近年「ムラサキコマノツメ」というスミレも命名されたので唯一では なくなりました。それでも、日本の高山型のスミレの中でも一番広く分布しているスミレです。
 
 葉は、腎形〜円形で柔らかい質で表面や縁に微毛があります。上部の茎葉は先がやや尖ります。基部は重なる。
 花は黄色で、側弁、上弁は後方に強く反り返ります。唇弁はネクタイ状で赤紫の筋が数本あります。側弁の毛はありません。
見分けの
ポイント
花は黄色。側弁の毛はない。
側弁、上弁は反り返る。
葉はほぼ円形で柔らかい質感。縁や表面に微毛がある。
各部の特徴
黄色の花で唇弁の基部が細くなりネクタイ状になります。側弁には毛はありません。 花の後ろの距は短く黄緑。上弁、側弁は後方に反り返ります。 葉は円形です。 葉の表面や縁に微毛がありますが、若い葉の時は顕著に見えます。
 
 
 
 
 ジョウエツキバナノコマノツメ (上越黄花の駒の爪)   スミレ科/キバナノコマノツメ類

撮影地:至仏山(2005.7.2) 至仏山では尾根筋に特に多く生育しています。
生 育 地 谷川岳、至仏山など。主に森林限界より上部の草地や岩の隙間などに生育する。
尾瀬では、至仏山にのみ生育していますが尾根筋が多いです。
開花時期 6月下旬〜7月中旬頃
草   丈 5〜15pくらい
特   徴  キバナノコマノツメが蛇紋岩石の性質によって変形したものと考えられています。至仏山では標高が2000m以上に沢山生えていて尾根筋の ものはほとんどがジョウエツキバナノコマノツメと思われます。
 ただ、キバナノコマノツメとの中間的なものもあり紛らわしいです。
 
 葉は、腎形〜円形で厚くがっしりした質感で無毛、または微毛があります。上部の茎葉は先がやや尖ります。基部は重なる。
 花は黄色で、側弁、上弁は後方に強く反り返ります。唇弁はネクタイ状で赤紫の筋が数本あります。側弁の毛はありません。
見分けの
ポイント
花は黄色。側弁の毛はない。
側弁、上弁は反り返る。
葉はほぼ円形で厚くてがっしりな質感。表面には毛があるものと無いものがある。
各部の特徴
黄色の花で唇弁の基部が細くなりネクタイ状になります。側弁には毛はありません。 花の後ろの距は短く黄緑。上弁、側弁は後方に反り返ります。 厚くてがっしりしした感じです。 こちらはキバナノコマノツメの葉です。左と比べると柔らかい感じです。
 
 
 
 
 ナエバキスミレ (苗場黄菫)   スミレ科/オオバキスミレ類

撮影地:アヤメ平付近(2011.6.19) 尾瀬でも咲いているところは少なく一部の稜線だけです。
生 育 地 本州の中部、関東、東北の山地〜亜高山に分布。比較的日当たりの良い草地、岩場、礫地などに生育。
尾瀬では尾根沿いの日当たりの良い場所に僅かに生育しています。
開花時期 6月中旬頃
草   丈 10〜15pくらい
特   徴  尾瀬に多いオオバキスミレに似ていますが、葉柄、茎、花柄が赤紫色を帯びているのが一番の特徴で、葉脈が深く凹む、光沢が あるという点も見分けるポイントです。 また茎などに細かい毛があります。 但し日当たりの良いところの個体は葉の光沢感が弱くなります。
 葉は潰れた感じの卵形〜丸っこい菱形、葉先は尖っています。また葉脈がくっきりしています。一番下の葉は上部と離れてつきます。
 花は黄色でオオバキスミレよりはやや小さめ。唇弁は上弁、側弁よりやや小さい。側弁の基部に毛がある。
 尾瀬でも咲いている場所は少なくて稜線上の一部で見ることが出来ます。
見分けの
ポイント
花は黄色でオオバキスミレに似る。側弁に毛がある。
葉は光沢感が強く葉脈が凹む。茎が赤色。
各部の特徴
オオバキスミレに似た黄色の花。側弁に毛があります。 花の後ろの距は極短い。 光沢が強く葉脈が凹みます。茎は赤い。 草むらなど日当たりが悪いところの個体は葉の光沢感が薄れます。
 
 
 
 

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